母子避難
コロナ自粛になって久しいですが、そんな中で私は階段から落ちて足の甲を骨折しました。
物理的に通勤が困難になったものの、ちょうど仕事が繁忙期のため、無理やり通ってました。
今週から忙しいのも落ち着いてきて、テレワークになりました。
が、今日は職場がピンチのため出勤中の電車でこれを書いてます。。
標題の本は吉田千亜さんのルポタージュ本です。
実家で父が読んでたのを借りました。
タイトルからDVからの避難?と思って読んだら、全然違った。
原発の放射線から「自主避難」した母子の苦難や震災後〜2017年までの自主避難者に対する政府や自治体の対応をまとめた本でした。
私はこれまで自主避難についてほぼ何も知りませんでした。
が、震災直後の原発事故の状況や政府や自治体の対応を体験していたら、子供がいる母親は不安でいっぱいになることは容易に想像できます。
自分もきっと避難するだろうと思いました。
それがどんな結果を招いたとしても。。
自治体から無償で提供された団地やアパートでの母子生活が肉体的、精神的、金銭的に蝕まれていくさまは読むだけで相当堪えました。
夫と不和になり、離婚したら生活が破綻して生活保護を受けたり。
近所の人から震災でお金がもらえていいわねとか心ないこと言われたり。(もらえてないのに)
私が当事者だったらガチギレしそうな物事ばっかりでした。
端的に、金がないことに収斂するようにも思うのですが。。
夫がいても、妻子の不在で浮気に走ったり、生活に必要なお金を出さなかったり。
そういう世帯では夫が単身赴任の場合も妻子の生活費が出ないんだろうか。
どうして単身赴任より緊急事態なのにそんなことが起こるんだろう。
ずっと同じ土地に住んでいる人がいろんな繋がりから離れて生活するという点でも万感の思いがあるんだろうな。
私は親が転勤族なのであまりそういうのがわからないのだけど。
実家から出て東京で暮らし始めた時は周りの人々との断絶は多少感じたかな。
震災から9年経って、自主避難者の住宅提供は2016年度末で終わっているそうですが、現在この避難者達がどんな感じなのか知りたいなと思いました。
今もコロナが流行っていて、大っぴらな移動も憚られているけど、この本の母親達と同じような気持ちの人はたくさんいるのではないかな。
そんな風に心に残る本でした。
- 作者:吉田 千亜
- 発売日: 2016/02/27
- メディア: 新書